大判例

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東京高等裁判所 昭和50年(ネ)2975号 判決

土谷勝二を反訴原告、森田誠を反訴被告とする東京地方裁判所昭和三七年(ワ)第七、九八一号反訴事件(本訴同年(ワ)第五五七五号)において、土谷勝二が森田誠に対し本件仮登記の本登記手続の承諾を請求して勝訴し、森田誠の控訴申立に基づく控訴審は、昭和四〇年三月八日口頭弁論を終結し、控訴棄却の判決を言渡し、右森田の上告申立もその後上告棄却され、右判決が確定したこと、右訴訟の事実審の口頭弁論終結後に森田誠から控訴人土橋茂雄に対し本件土地の所有権移転登記が、同じく控訴人土橋あき子に対し本件土地の賃借権設定仮登記がそれぞれ経由されていること、控訴人土橋茂雄に対しては昭和四八年一月一九日右判決(第一審)につき承継執行文が被控訴人らのために付与されていることは、いずれも当事者間に争いがない。

そうとすれば、控訴人らは不動産登記法一〇五条一項、一四六条一項の利害関係を有する第三者として、被控訴人らに対し本件仮登記の本登記手続につき承諾を与える義務を負うものというべきである。そして、森田誠の負担している承諾義務と控訴人らのそれぞれ負担している承諾義務とは互いに併存しているものと解されるが、被控訴人両名が前記事件における森田誠の承諾義務につき、口頭弁論終結後の承継人であるか否かは、両名につき各別に検討すべきである。そこでこの点についてみるに、まず控訴人土橋あき子についていうならば、同控訴人は森田誠との間で別個に本件土地につき賃借権設定仮登記を経由したものであって、同人から訴訟物たる承諾義務自体を承継したものとはいえないことはもちろん、右承諾義務の負担を伴った地位を承継したものとも解することができず、同人の承継人と認めることはできないというべきである。しかし、控訴人土橋茂雄については、同控訴人は森田誠から所有権移転登記を経由したものであって、所有権自体を承継(その効力の有無は別論として)することにより、本件仮登記の効力により排除されるべき負担を伴った地位を承継したものと解することができ、同人の承継人と解するのが相当である。なお、同控訴人に対しては昭和四八年一月一九日前記判決(第一審)につき被控訴人らのために承継執行文が付与されていることは当事者間に争いがないところである。そうとすれば、同控訴人に対する関係でいえば被控訴人らは本件仮登記の本登記手続の承諾を求める目的は承継執行文の付与を受けることにより達しうるのであるから、特段の事情の認められない本件にあっては本訴請求を起す利益はないというべきである。

(小堀 奈良 小川)

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